ハウスメーカー、ビルダー、工務店、いずれも住宅を建築する業者の呼び名ですが、その違いについて分からないと言われる方は多いです。異なるタイプの建築業者であり、それぞれに特徴もありますので、その違いについて解説してみます。
ハウスメーカーは、住宅部材の製造及び設計・施工を行う企業体です。自社で営業、設計、施工の部隊を持ち、自社ブランディングから商品開発、大規模な住宅開発事業などもおこなう「総合住宅建設企業」です。自社ブランドを作り、全国に支店を持って数千棟から数万棟の建築をおこなうことができる大企業なのですが、特徴として、建築部材の工業化、分業専従制で効率を図り、独自工法で高品質と保障を訴求するところです。
次にビルダーですが、住宅建築を専門におこなう建築業者のことを指しており、中規模程度の地元企業が多いです。ビルダーの中には都道府県をまたいで事業エリアを広げたり、住宅ブランドのフランチャイズ店をしているところもあります。ハウスメーカー並みに組織化された大手ビルダーもありますが、特徴としては、施工は自社でおこないますが設計やデザインは外注することもあり、顧客の注文に応じて幅広く、臨機応変に対応することを強みとしているようです。
最後に工務店ですが、地元に根付いた小規模な建築業者がほとんどで、地域密着を信条として地道に事業を展開している企業が多いです。技術ある大工を抱え、伝統的な日本建築をする老舗の工務店もあれば、住宅メーカーや大手ビルダーの下請けをしている工務店もあります。個人の住宅を請け負っている工務店の多くは顧客からの紹介で受注をしていますが、これは技術に裏付けされた信用と信頼があるからであり、人間味ある住まいづくりをするのが工務店の特徴といえます。
同じ建築会社でも異なる特徴があるので単純に比較することは難しいですが、例えば、設計の自由性で見ると「 住宅メーカー < ビルダー <工務店 」、施工力では「 住宅メーカー > ビルダー > 工務店 」、一般的な個人住宅のコストを比較すれば、「 住宅メーカー > ビルダー > 工務店 」のように限られた視点で見ることはできます。
建築会社を選択する折には、施主が求めていることに対応している建築会社なのか、希望する条件に沿った建築会社なのかなどを吟味することが大事です。その為にも、建築事例を見せてもらい、詳しく話を聞いて、価値観や共通認識を確認するようにして下さい。