住宅ローンは長期に渡り支払いをしていくのが特徴です。住宅ローンを借りる上で一番大事なのは、将来にわたり一定の収入が見込め、継続して支払いを続けていけるのかどうかという点です。金融機関のローン審査においても最も重要視している点であり、申込者の属性、職業や収入、過去に各種ローンの支払い遅延が無いかどうかなどを審査します。
勤続年数はローン審査の中でも重要なポイントの一つです。会社勤めの方であれば勤続年数が増すことで収入が安定し将来設計も立てやすいからです。安定的な会社にお勤めで、勤続年数も長いという方は審査上も有利に働き、融資を受けることについて問題が無いと判断されるのです。
転職はそれ自体に問題はありませんが、ローンを借りる際に金融機関に提出する「所得証明書」あるいは「源泉徴収票」が現在の仕事の所得が反映されているものでなければ審査の対象になりませんので、転職して1年未満の場合には反映されず、住宅ローンの審査を受けることが難しいとなります。転職して少なくとも1年以上勤務し、現在の仕事による公的証明書が得られているという状況になって初めて審査を受けることができるのです。
ただし、例外もあります。転職をして間もない場合でも、職種に専門性が高いと認められる場合や仕事の内容に継続性があるような場合は審査の対象となります。その場合、直近数ヶ月の給与明細書を提出することで審査を進めてもらえます。但し、借りれるかどうかは審査する金融機関の判断になりますので、事前に金融機関の窓口に相談をすることをお勧めします。金融機関によっては、「転職して1年未満であっても審査の対象です」と告知しているところも見受けられますので、そのような金融機関に申し込むのが良いかも知れません。
繰り返しになりますが、住宅ローンは低利で長期でローンを組むことにより多額のお金を借りることができるローンであり長期に渡り支払いをするものです。住宅ローンを借りるには、職業を持ち、収入を継続して得られることが条件になりますから、それが整って初めて、住宅ローンが組めるということになります。
文:中川雄二