column

住まいづくりワンポイントアドバイス

2010.01.17

今年の動向・・・

年も明け1月も半ばを過ぎました。毎年言ってますが、時が過ぎるのが本当に早く感じるようになりました。
さて、年明けの住宅業界はどうかというと、例年業界の性格上仕事のエンジンが掛かるまでに時間は掛かるのですが、例年にも増してそのスタートがゆっくりしているように感じます。というか今だ新しい年を迎えての元気?を感じられません。
たしかに昨年夏以降、住宅市場はかなり冷えており、昨年の住宅着工件数も80万戸水準だったと言われています。(国土交通省速報値) この数字は40年ぶりの低水準で、1960年代後半から続いていた年間着工件数100万戸以上がいよいよ途切れるよ必至のようです。
日本の人口からすれば年間100万戸の住宅着工件数は元々多すぎる数字と言われいます、経済成長を最優先にしてきた我が国にとって、個人消費の中でも郡を抜いて金額、経済波及効果の高い住宅産業は、政府としてもより多くの力を注いだ業界でもあります。
昨年も政策面では、過去最高の住宅ローン控除額、生前贈与無税額の拡充、住宅ローンの金利低下、各種の減税の継続、と打つ手は全て打っていました。そんな中で100万戸割れの現実は衝撃的なことであり、業界の持つ厳しさを直面する出来事になります。
悲観論を述べているのではありませんが、従来のやり方や商品提供では打開できなくなってきている現実を受け入れる必要はあります。車産業がそうであるように、世界同時不況から販売台数の激減を受け、ハイブリットカーへの転換が急速に進み、それを先手で実行してきたメーカーだけが生き残れるのではないかと言われる状況です。
住宅産業もしかりで、今まで主体だった住宅の考え方・作り方に限界が来ていることを受け入れ、エンドユーザーの目線で意見を聞き、環境に優しく、持続可能なものであり、デザインが優れる、と言うような提案をしていかなければならない時期にきています。さらに、販売・営業方法も、従来の売り手側主体の形から買い手側主体に変化させることが必要とされています。
今までと比較すると何かと悲観的になりがちですが、これが普通と思えば何てことないものですし、逆に大きくチェンジする時と思えばワクワクし期待も膨らみます。日本人は適応力の高い人種ですから苦境をバネにして新しいものを生み出す力は持っています。したがって、住宅産業でも今までとは違う魅力的な住宅や提案が出てくる一年になるのではないかと期待が持てます。
住宅産業維新が始まりそうなそんな予感がしています。

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