1月29日、国土交通省より2009年の新設住宅着工件数が発表されました。その件数は78万8400戸と、1964年依頼45年ぶりの80万戸割れという衝撃的なものでした。
この数字の与えるものは大きく、住宅産業、不動産産業は現状の厳しさを大いに痛感させられるものでした。業界ではいずれ新設着工件数が100万戸を割る時代がくると、ここ十数年叫ばれていましたが、ついにその時を迎えたのです。
私自身も住宅産業について22年目になりますが、何だかんだ言っても100万戸は割ることの無かっただけに、今回の激しい落込みには正直ビックリしています。
住宅産業は国策に守られ、景気対策と言えば最重点に予算をつけてもらえた業界です。それに甘んじていた訳ではないのでしょうが、建設業者数も多いうえに利益の大きな新築工事に業務を集中している業界の構造は問題があるでしょう。
人口減少時代に入り、住宅のストックも世帯数を大きく越えた今、従来のような新設工事件数が望めないのは当たり前と言えば当たり前のことです。さらに、地球環境問題という大きな問題も出てきています。使えるものは出来るだけ長く使って行こうという風潮が当たり前になってきている今日、景気が上向いたとしても従来のような新設着工件数が見込めるとも思えません。
これらのことからも、業界自体が大きく変わらなければならないのは明白な事実ですし、住まいというものに関しての考え方も変える必要があるでしょう。今回の100万戸割れの衝撃は、そのようなことを自覚する大きなきっかけになると感じます。
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住まいづくりワンポイントアドバイス