Q:長期優良住宅のメリットはありますか?
長期優良住宅は、「つくっては壊す」というスクラップ&ビルド型の社会から、「良いものつくって、きちんと手入れをして、長く大切に使う」ストック型社会への転換を目的として、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた「優良な住宅」のことです。長期優良住宅は、建築及び維持保全の計画を作成し、所轄行政庁に申請することで基準に適合すると認められれば認定を受けることができます。住宅を長持ちさせることを目指した認定制度ですから、定められた設計基準で設計し、検査機関の施工チェックも受けなければならないのが特徴です。
一番のメリットは、認定取得のため結果として第三者の客観的なチェックが受けられるという点でしょう。また、税制面でも、住宅ローン控除額が400万円から500万円に引き上げられますし、不動産取得税の控除金額が1200万円から1300万円に増額、固定資産税の減税措置期間も2年間延長されます。このように長期優良住宅は、エンドユーザーにとってメリットが多くありますから積極的に活用すべき認定制度だといえます。
尚、認定取得のためには費用がかかりますので、建築会社に事前に費用確認することを忘れないようにして下さい。
Q:建築後の点検やメンテナンスが気になります…
建築後の点検やメンテナンスは、住宅の種類、建築会社により異なります。定期点検やメンテナンスを積極的に業務として取り組んでいるのはハウスメーカー系住宅会社であり、引渡し後の初期状態を確認する1ヶ月点検に始まり、全ての季節を経験した後の1年点検、住宅設備関係の保証が切れるタイミングの2年点検、その後5年点検、瑕疵保証の期限となる前の10年点検を実施しています。10年までの点検は無償、さらに10年以降も定期点検を希望する方には有償点検で対応をします。建築会社がメーカーとして住宅の維持・管理に深くかかわり、メンテナンス工事も収益事業として見込みシステム化しているのです。
一方、在来工法の工務店の場合は、定期点検を業務として実施しているところは少なく、何かあった時にその都度対応をして、それに合わせて点検やメンテナンスもおこなうという形をとっています。起きた事象に対して都度対応するというのは合理的であり、施主自らが住宅を管理するという考え方に沿っています。
ハウスメーカー系の住宅は、部材・建材を工業化(製造)し住宅を建てる関係上、維持・管理をすることは必要不可欠であり、点検や定期的なメンテナンスしていくことを組み込んだ住宅です。方や在来工法、工務店の住宅は、自然素材の部材・建材を使い、経年変化も楽しむ住宅なので、メンテナンスは状況や必要に応じて、施主の好みや都合に合わせて管理していく住宅なのです。自らが望む住宅がどちらのカテゴリーなのかによって、必要とする点検やメンテナンスが決まるのではないでしょうか。