Q:サスティナブルな住宅とは具体的にどのような住宅のことですか?
サスティナブルは「持続可能な」または「持続することができる」という形容詞です。私たちの活動が自然環境や資源に悪影響を与えず、その活動を維持できることを意味する言葉として使われています。サスティナブルな住宅というのは、地球環境に配慮しながら住む人も末永く、快適に暮らしていけるという観点で設計された住宅ということになります。
具体的には太陽光や風力などの自然エネルギーを生かした「ゼロエネルギー住宅」などがあげられますが、環境に優しく快適に暮らせる住宅という観点で考えると、自然素材や再生可能な素材の利用、維持管理を適切にして長持ちする工夫、多様性に対応できる可変性のある間取りなどもサスティナブルな住宅だといえます。サスティナブルな住宅を検討していく上でポイントとなるのは、①高耐久にするための構造の頑丈さ、②高気密・高断熱の仕様で快適性と省エネ性が兼ねられる性能、③スケルトン・インフィルで可変性に対応できる間取り、④安全・安心で長持ちする自然素材の利用、そして⑤自然エネルギーを取り入れエネルギーの抑制ができる設備になります。
元来日本国民は、サスティナブルな考えを取り入れた住宅を建てていました。地産地消の考えで地元の木材を使い、モノを大切に扱い長持ちさせる気遣い、田の字型に考えられた間取りは可変性に富み、自然エネルギーを上手に家に取り込む工夫、伝統のあるデザインには飽きがなく何百年も引き継いでいます。サスティナブルな住宅というのは自然や人に優しく、持続可能な住まい方が実現できる住宅ということなのです。
Q:北側に玄関を持ってくるのはよくないでしょうか?
玄関の位置というのは、建設地の接道条件、周辺の環境、間取りの希望などから決めていきます。設計士は、建設地の周辺状況、施主のライフスタイル、間取りの希望、使い勝手等を考慮に入れ、プランニングする上で最適な位置となるよう玄関位置を定めていきます。実は設計をする上で玄関の位置と階段の位置は間取りをほぼ決めてしまう位置となりますから、玄関をどこにもっていくかが設計をする上で重要なポイントとなります。
お尋ねの北側に玄関の良し悪しについてですが、北側玄関は玄関スペースや廊下スペースが北側にまとまることで無駄が少なく、日当たりの良い南側に居室スペースを多く取ることができますがこれは大きなメリットです。逆にデメリットとしては、住宅の北側スペースには水回りが配置されるケースが多いので外観デザインが取りにくくなる点、採光が取りにくいので玄関が暗くなってしまう点、玄関と駐車スペース、道路との距離が近くなるケースが多いので、アプローチに工夫が必要となる点があげられますが、これらのことを考慮した設計をすれば北側玄関が悪いということはならないでしょう。
玄関は住まいの顔です。毎日頻繁に出入りする場所であり、かつ外観デザインのポイントにもなる場所ですから、設計士さんとしっかりと意見交換をし、設計することが大事だと思います。