住宅購入後の点検・メンテナンスなどは取り決めやルールがある訳ではありませんが、新築した建築会社が定めた時期に点検をし、不具合が想定される箇所もしくは不具合の起きた箇所のメンテナンスをおこなうことは、元々は工業化住宅(プレハブ)である大手住宅メーカーが制度化してきたものです。現在では工務店も積極的に取り入れており、エンドユーザーが建築会社を選択する折の一つの要素にもなっています。
点検・メンテナンスは、家の建て方や建物の種類、建築場所などによって異なるので、一律にこうするべきというものはありません。居住者自身が住まいを管理し、管理する中で住まいの変化を見つけ、都度対処するというのが本来の形だと思います。1980年代から工業化住宅(プレハブ)が急激に増えたこともあり、住宅も他の工業化製品(車や家電)と同様に保障・メンテンナンスは製造者責任(施工者)という考え方を強めたことで、定期点検をおこない、メンテナンス施し、保障をしていくという今の形になったのです。
住宅における保障については大きく3つで、①雨漏れや建物の傾き(不同沈下含む)、シロアリ被害など構造躯体に関しての保証(10年)、②住宅設備機器の不具合についての保証(2年)、③工事の仕上げ・施工ミスについての保証(2年)、これをベースに、一定の条件と追加の費用負担により保証期間の継続という形で運用されています。新築の住宅には10年間の「瑕疵保障」が法律で義務付けられていますので、①についてはどの建築会社も同じですが、中には20年、30年間保障しますという建築会社も出てきていますし、②や③についても、定めた保障期間後もお得な「メンテナンスセット」などを提案している建築会社が増えてきています。
昨今、保障・点検・メンテナンスは建築会社の一つのセールスポイントになっています。各社競い合うようにオリジナルの点検・メンテナンスプログラム、保障期間の長期化という傾向になっていますが、中には実現可能?と思われるものや、点検・メンテナンスで収益を上げていると思われるようなものも見受けられますので、条件が良いとか期間が長いとかだけで判断をせず、中身を良く聞き選択をする必要があると思います。