よくある質問の中で、「仮契約」について聞いてこられる方が多いのでご紹介しておきます。
本来、工事請負契約とは、「建物の完成を約束」して、完成した仕事に対して報酬としてその対価を払うという契約です。
契約書には、契約図書−[契約書・契約約款・設計図・仕様書・見積書・見積内訳明細書・質疑回答書等]を添付する事が必要であり、あらかじめ設計が決まっていて、そのとおりに実行するというものです。
したがって、内容に曖昧な事が多い状況での「仮契約」というものは必要性のないものだと思っていただいて結構かと思います。
どうしても事前に取りまとめる必要がある場合は、「予約契約」とか「合意書」とか「覚書」という形で行うのが一般的だと思います。
「仮契約」と言っている内容を確認してみると、「商談の内容に満足していただいてるようなら、そろそろ部材の確保をしましょう」とか「土地購入予定で土地契約が済んでいない場合において着工枠を確保しましょう」等のことから求められているケースが多いのが特徴です。
こういうケースでの「仮契約」とは、「必要な書類がそろわないので契約は出来ないが、お客様の意思をあらかじめ明確にし確保したい」という都合からおこなっているようですが、本来の契約行為の意味とはかけ離れているように感じます。
十分な知識があり、良心的な考えを持っている営業マンならこんな事はしないでしょうし、検討している会社にそういうシステムがあるのなら、会社側本位であり、お客様の為に仕事をしているという姿勢は少ないと見てもよいのではないかと思います。
「仮契約」こんな言葉が出てきたら気をつけましょう。
column
住まいづくりワンポイントアドバイス
仮契約。
最近のマンション事情
岡山の主要地域にマンション建設が止まらない。
岡山市内に目を向けると、市内中心部の高層マンションから郊外型のマンションまで建設ラッシュが止まらない状況で、需要がそこまであるのかと思うくらいである。
元々、岡山は平野が広く地価が安いところである。したがって、一戸建ての需要がよその件に比べても多いところではあったが、こんなにもマンションが建設されるとは正直想像出来なかった。
また、少し違う目で見てみると、現在建設を行っている事業主の多くは県外の業者であることが気付く。広島や香川等の業者が多く、業務の拡大を狙って岡山に進出してきているようである。
首都圏や大阪圏程ではないが、広島や香川も平地が少なく地価も高い。したがってマンションが受け入れられる土壌が少なからずあると思うが岡山はどうだろうか?
駅前や限られた場所では地価も高く供給も少ないので、マンションの必要性はあると思うが、郊外の場合は違うように思う。
建設されている郊外型マンションは、かなり安価で手に入れる事が出来るため、購入者には魅力的に写るかも知れないが、マンションは共有資産であるために規制も多く、共同住宅であるがための不自由さもある。目に見えない費用も結構かかり、一家に2台以上と言われる駐車場の問題もある。
家賃が勿体無いのでとりあえずマンションを購入して将来一戸建に住み替えようと思っている方も多いようだが、これだけ供給が多くなると中古市場は値崩れしてしまい、将来住み替えたい時に売却出来なくなってしまう恐れもある。
販売会社はあらゆるメリットを訴求してくるとは思うが、そんなセールストークに惑わされること無く、自らの将来設計をしっかり考えた上で本当に今必要なのか、購入をするべき時なのか判断するようにして欲しい。
特に30年、35年のローンで買う方は、今一度冷静になって客観的に見てみることが必要なのではないかと思う。
付帯工事について
住宅建設を行うときに必ず必要なのが付帯工事。これは本体工事とは別に取り扱われているケースが多いようです。(特に住宅メーカー)
具体的には、基礎補強工事・屋外電気・給排水工事・浄化槽工事・ガス工事等で、どれも住宅には必要不可欠なものなければで生活することも出来ないものです。
そもそも、本体工事に含まれてない事自体不思議なのですが、多くの住宅会社は契約時に詳しい見積もりは取っていないケースが多く予算枠だけの計上をしているところが多いのが現状です。結果、予算オーバーになったりしてトラブルの元になっているように感じます。
実際に同じ内容でも住宅会社でかなり金額が違っていて、コンサルの立場から見ると、最もチェックするものの一つになっています。
本来は、平面計画が変わらなければ、どこの会社で行ってもそんなに金額のバラツキは無いのものですが、別の見方をすると金額調整しやすいものなので、その会社のモラルが出やすい項目かと思います。
こんなところをチェックしてみると、良心的な会社かすぐに分かりますよ。
独立系住宅コンサル
独立系住宅コンサルについての質問が多いので、改めて簡単に説明します。
ポイントとして次のような事があげられます。
独立系とは?…
(1)住宅会社と業務提携をしない
(2)住宅会社と資本関係を持たない
(3)全てにおいて購入者側の立場
(4)購入を促すのではなく購入する為のサポートと確認
(5)商談全般の通訳(行う行為全て)
こんな感じでしょうか?
最近、住宅雑誌や不動産の雑誌にセミナーを通じて購入者に適した会社を紹介するような企画がありますが、これは独立系とは言いません。
ほとんどが、スポンサーである出稿会社への斡旋を目的としています。視線が購入者側だけではなく、売る側にも配慮しているので、当たり障りの無い言い方になってしまいます。
独立系とは、友人の不動産の専門家に、自分が考えている選択や疑問を相談する感じかと思います。(友人、知人は直接的な利害関係はありませんから、相手の立場で考え相談に乗ってくれますよね)
気軽に、遠慮なく、単純な質問も含め、分からない事を何でも聞けることが独立系の大きなメリットなのです。
土地の購入。
住宅を建築する時に合わせて土地を購入される方も多いと思います。
特に岡山は、土地価格が他県に比べて安いので建替より住替を希望される方が多いと言われる土地柄です。
そんな土地探しで気になるのが「建築条件付土地」。名の通り指定した建築会社で建てることを条件に販売すると言う事ですが、これによって希望する建築会社を選択できないと嘆く方が多いように見受けます。
住宅会社側は、土地の購入決定と同時に住宅の契約が見込める為、資本のある大手住宅会社中心に分譲を取り組んでいるところが多いですが、本来は土地と住宅は別物、順番も土地→住宅の順番で進めるのが本来でしょう。
本業である住宅のプレゼンで勝負をしない住宅会社は、いずれ廃れるのでは
無いかと思いますが、購入者側もそんなところを厳しい目で見るのも必要じゃないかと思います。
案外、住宅会社の営業マンの土地情報を依頼しなくても、不動産業者で親身に探してくれるところはあるものです。
不動産業者に不安を感じるようなら、住まいづくりコンサルを窓口に活用するのも良いかと思います。
総合展示場の閉鎖。
倉敷市中島にある「プレステージ倉敷総合展示場」が閉鎖になるとの話を聞いた。
これも一つの時代の流れかと思うが、昔なら家を建てると思えばまず住宅展示場を見に行こう!となっていただけに何か寂しい思いもする。
確かに一昔前はその意義と必要性があったが、昨今インターネットの普及もあり住宅の情報はどこにいても手に入れられようになった上、一度行ったことのある方なら経験があると思うが、見た後の各住宅会社の積極的な?セールスアプローチにうんざりして足が遠のいた人も多かったのではないかと思う。
このあたりは、運営会社及び出展メーカーも反省しないといけないところかも知れない。
「まずは見てみる」は、とても大切な事だけに、見せる側がもっと工夫をして何度も足を運びたくなるような魅力のある総合展示場にする必要があるのではないかと思う。