9月末から着工したコンセプト建売住宅の建築工事。11月吉日に無事上棟しました。上棟とは、軸組では屋根組みの1番上にある棟木が組み上がった状態をいうのですが、今回の建物はツーバイフォー工法ですので、屋根パネルが取り付けされた状態で上棟となります。上棟後、すぐに屋根工事、外部建具取付をおこない雨仕舞をします。それが終われば上棟立会いをするのです。
着工前の実施設計で設計確認は充分おこなっていますが、実際の建物が組み上がってみると想像していたものと違うことこがあったり、図面では確認し切れていないところは現場を見て確認するということをします。設計を変えてしまうようなものではなく、場所場所の細かな確認なのですが、それらを目で見て確認し、変更があれば現場で補正の打合せするのが上棟立会いなのです。そして今回も、上棟立会いをおこないました。
3時間弱ほどかけて各ヶ所の確認、電気配線の確認などもおこない、変更があった点は図面に記載して現場の職人さんが分かりやすいように現地表示もして上棟立会いは終了です。上棟後の外観写真は今後のお楽しみとして掲載していませんが、建物が上棟すると家を建てているという実感が湧きます。何回も経験をしていることですが嬉しいものです。この上棟立会いが終わると、外部検査機関の構造検査を受けて、外壁工事、内部の大工工事が本格化していくのです。
話は変わりますが、このプロジェクトの建築工事のプロセスは通常の注文住宅を建てる時と同じプロセスで進めています。充分な設計図書、工事期間の確保、現場での打合せ、管理しやすいよう各工事はシリウスに進めています。ちなみに、ローコストの建売住宅では価格を安くするために工事プロセスを出来るだけ省略し工期を早めています。打合せの必要が無いよう設計を含めて規格化し、設備仕様品も量販品のみを使い、各工事はパラレルに進めることによって工期を短縮するのです。(だから安く出来るのです) 注文住宅に比べ半分の工期ぐらいで建てられています。
物事にはいろいろな考え方がありますからどちらがいいとは言いませんが、物造りにおいて早く造るということにおいては収益以外のメリットは無いと思っていますし、我家を造ってもらう折には丁寧に手間暇掛けて造ってもらいたいと思うのが心情です。私共が企画するコンセプト建売案件では、設計を充分におこない、建築上必要な時間は確保し、工事をキチンとチェックするということは欠かせない事ですので、価値観を共有でき、それを実際におこなってくれる建築会社に施工をお願いするようにしています。
「我家を建てる思いで造る」、これからもその気持を忘れずに取り組んでいきます。
「M Style 円山 Concept Life」プロジェクト ~基礎工事~
ようやく秋らしい天候になってきました。そろそろ紅葉も色づいてくるころかと思います。さて、「M Style Conceput Life」プロジェクトは基礎工事が終わりました。基礎補強の鋼管杭工事から始まり、基礎配筋工事、基礎型枠工事、コンクリートの流込みと天候にも恵まれ順調に工事は進みました。
プロジェクトの建設地である中区円山エリアは古くからの町並みがあるところで、岡山の中では比較的地盤の良いところですが、SS式地盤調査の結果では相応の基礎補強が必要という結果でしたので、できるだけ強度の高い補強工事をすべく、施工を依頼した三井ホームさんの推奨もあって鋼管杭工事をしました。
補強工事が終わると基礎工事に着手です。ベースを打ってそれから基礎の配筋工事です。基礎はベタ基礎で床厚150mmの鉄筋コンクリートで、配筋量も一般的なものに比べで2倍強の量を施工しています。
基礎工事が完了すると、組立工事までに屋内外の給排水配管工事を行います。そして、それらが完了して足場を組んで組立工事が始まるのです。11月初旬には上棟の運びで工事は進んでいきます。
話がそれますが・・・今、巷で大騒ぎになっているマンション杭工事偽装問題。建築物の最も大事な部分である基礎工事の不備は、建物の不動沈下を起こし全てを台無しにしてしまいます。すでに傾きが出ている建物については補修工事だけでは対応が難しでしょうから建替えという手段でしか無いと思いますが、マンションでは住民の同意を得る作業、建替期間中の精神的、経済的負担は甚大になります。
今回の事件は一人の現場監督が起こしたことなのか、建築会社としてそのような風潮を生み出していたのか、真相解明はこれからだと思いますが、最終的な被害を受けるのはエンドユーザーです。エンドユーザーには工事中の内容を知るすべはありません。全てを信用して不動産を買ったり、住宅を建てたりしているのです。
そして多くのエンドユーザーは多額の住宅ローンを組んでそれを支払っていくのです。建築に関わる方々はぜひその事を再認識していただき、技術者としてもモラルを持って、良い物を作る努力を惜しまず、誠心誠意仕事に取り組んでいただきたいと思います。
「M Style 円山 Concept Life」プロジェクト 模型完成!
「M Style Concept Life」プロジェクトの建物模型が届きました。プロジェクトの打合せ中は真っ白なスチレンボードの状態で中、外確認しながら利用していたのですが、打合せ完了とともにお色直しをお願いしていたのが本日届いたというわけです。
住まいづくりのコンサルティングでは必ず施主にアドバイスをするのですが、基本プランと外観デザインが決まったら必ず建築会社に模型を作ってもらい、目で見て触って確認していただくようにしています。現在ではCADのCG等が素晴らしくリアルにはなっていますが、やはり絵では分からない奥行きや高さなどは模型だからこそ分かるのです。
模型は3次元を認識しにくいと言われる女性でも良く分かりますし、光の入り具合や物の形などがとても良く理解できます。インテリアや家具のことも想像できすのです。設計事務所では新人の仕事の一つが模型作りで、模型を作ることで建物の構造や納まりを理解することができるようになるのです。(私自身も住宅会社に勤めていた時代にはスケールは小さいですが模型を作っていました・・・)
PCの発達によって模型のようなアナログ的な物は廃れてきていますが、やはり手にとって確認できる模型は住まいづくりにはかかせませんね。ちょっとした手間を惜しまないというのが、良い住まいづくりには欠かせない事なのです。住まいづくりを考えている方は、絶対模型を作ってもらうようにして下さい。
「M Style 円山 Concept Life」プロジェクト ~基本設計概要~
朝晩は少し寒いくらいの季節になりました。昼間の日差しはまだまだ厳しい日もありますが、カラッとした空気のおかげで日陰に入れば心地いいです。さて、先日ご紹介しました「M Style Concept Life」プロジェクトは順調に工事が進んでいます。現在、基礎補強の為の鋼管杭設置工事も終わり、基礎工事の真っ最中というところです。随時、プロジェクトの進捗情報はお伝えしていきたいと思っていますが、今回は第1回目として基本プランと外観デザインの概要をご紹介します。
まずは外観デザイン。住宅の見た目はとても重要です。今回の建物の外部色調はマリンカラーにしました。ホワイト系のモルタル吹付けの壁にブルー系の窓枠装飾で清涼感を出し、外部装飾のアイアンや付梁などの陰影で質感を醸し出し、軒下の付梁や開口部の曲面仕上げなどでおしゃれ感を高めています。湿式外壁の特徴を活かしたデコレーションを随所に取り入れ雰囲気のある佇まいとしました。
一般的な建売住宅は、コストを抑えるために簡略化した施工、量販品の利用などから乾式サイディング張りの外壁施工がほとんどです。サイディング張り施工では外部装飾や外部造作をすることはまずしません。コストの問題が大きいのですが、サイディングの性質上外部造作は不向きな事などがその理由です。結果、シンプルなデザインになり、乾式ならではのツルッとした表面では質感を出すことはできず、安っぽく軽い感じになってしまうのです。
次に配置と間取りですが、駐車スペースはセパレートに2台駐車分を確保し、基本の間取りは4LDKとしました。4人家族向けの設計です。玄関ホールは北側玄関を配慮し、ゆったりと広く大きく取りました。階段下までつなげることで奥行きさも出しています。そしてリビングへと繋がる壁の一部を大きな室内窓にして、リビングとの一体感、室内の明るさの確保をするようにしています。
1階は南側にLDK+和室を続き間で取り、広く快適に、多目的に使えるようにしています。そして対面式キッチン、リビング階段など、家族の距離が近くなるような設計としました。2階は最初から各部屋を独立させ、それぞ充分な収納を確保しています。主寝室にはバルコニーを設置し、トイレもつけています。階段ホール周りは玄関と同様に広く見えるよう、奥行きはゆったりめにとり、コーナーの壁も角切りするなどして工夫しています。
以上が、街並み、立地条件、デザイン、コストを考えたうえでの基本設計概要です。
もっと詳しい内容が知りたいという方は、こちらから お問い合わせ下さい。
プロジェクト名は「M Style Concept Life」
今日からSWです。今年は長いところでは5日間の大型連休になるようです。天気予報を見てみると、天候には恵まれそうなのでレジャーや観光する方には最高のSWとなりそうです。猛暑時期の夏休みよりも季節的にいいSWは何しても楽しめます。
さて、弊社が取り組んできましたエンドユーザー向け住まいづくりコンサルティングも10年目を迎えています。おかげさまで延べ130棟余りのお客様の住まいづくりのお手伝いをさせていただきました。
コンサルティングのご相談を受けさせていただく中で、「できれば注文住宅でお洒落な住宅を建てたいけど考える時間や打合せに費やす時間が無い」というエンドユーザーの方も多くいらっしゃいます。そして「注文住宅みたいなクオリティの建売があれば良いの」というお声も沢山ありました。そのリクエストに応えるべく、スタイルプランニングで昨年より取組みを始めた「コンセプト住宅建売プロジェクト」、そのプロジェクト第二弾がこの秋から始まります。
プロジェクトのコンセプトは、土地の立地条件と周辺環境からそこに建てるにふさわしい建築会社を私どもが選択し、スタイルプランニング自らが事業主となり、住宅を建て販売していくというものです。既存に多い、値段だけに特化した建売住宅ではなく、デザインと品質にこだわり、手間ひまを惜しまず、建築会社の特徴も活かし、プロならではのコスト削減をしてご提供していきます。
今回のプロジェクト第二弾は「岡山市中区円山」です。岡山でも由緒ある曹源寺の近くで、小学校へも徒歩2分、商業利便もとても良いという場所で、スタイルプランニングが考える「Lifeスタイル」、「コンセプトLife」に沿って提案致します。
建設地は北側接道の立地ですが陽当りはよく、周りは個性あるデザインの住宅に囲まれています。北側接道は間取りが効率的に取れますので坪数以上の広さを感じ取れます。周辺環境と一体となることでデザインを高めるような素敵な住まいをお住いを建築していきます。今月末に着工し、来年1月末には完成予定となっています。
プロジェクトの詳細や工事中の状況は随時HPなどでご紹介していきます。「M Style Concept Life」コンセプト住宅プロジェクト、ご期待ください!
完成お披露目会「中区高島新屋敷」
いつの間にか秋らしくなった9月の半ば、「中区高島新屋敷」の完成お披露目会に参加してきました。こちらのご施主様の住まいづくりを少しお手伝いさせていただきました。当日はお披露目会を兼ねた住まいづくりの相談会も開催させていただきご相談を受けさせていただきました。
こちらの建物の設計施工は、カーサ・カレラさん。住宅街の中の一際広い敷地の中に建ってる平屋のお宅なんです。クラシックな落ち着いたデザインが目に止まります。
完成お披露目会 「東区益野」
梅雨まっただ中、朝方は雷雨で土砂降りのお天気でしたが、お披露目会が始まる時間にはすっかり晴れて見学会日和となっていました。今回のお宅は、住替えコンサルティングでお世話をさせていただいたお客様で、設計・施工は本格木造住宅の「福富建設」さんです。
完成お披露目会 「中区賞田」
梅雨に入ってますが、雨の日も少なく、気温もほどほど、何となく過ごしやすい6月です。さて、先日、コンサルティングをさせていただいたお客様の完成お披露目会に参加してきました。こちらのお宅の設計・施工は、弊社と業務提携もさせていただいている(株)カーサ・カレラさんです。
セールスパーソンの「大丈夫」
5月は例年より暑い日が多かったようです。朝晩は涼しいし、日中も日陰は空気が乾燥してるおかげで涼しいせいか、言われるほどの暑さは感じていないのが正直なところです。
さて、先日の相談会での話しです。すでに総合展示場を何箇所か見学し、住宅会社さんとも数社ご相談をしているという状況のエンドユーザーさん、住宅会社が提供する無料のファイナンシャルプラン相談を受け、セールスパーソンから予算の増額を勧められたとのことでした。
元々、ご夫婦は、借入3500万円以内でと考えておられたようですが、フィナンシャルプラナーの意見では4500万円でも十分借りられます、大丈夫です!と言われたそうです。本当に大丈夫?と思い、第三者の意見が聞きたいと、私のところに相談に来られたという訳です。
今回のご夫婦のともに41歳、世帯年収は約700万円、自己資金は500万円と、支払年数にもよりますが4500万円の借入に必要な収入と貯蓄はたしかにあります。1000万円借入が増額できれば総資金は5,000万円。セールスパーソンがこれから行う、土地探しや建物のプランニングではかなり余裕を持つことができるでしょう。
ライフプランの計画書を見せていただくと、どうも返済比率のみでの検討しており、借入額はこれだけしても大丈夫!といってるようでした。このような話はよくあるのですが、セールスパーソンやフィナンシャルプランナーが返済比率だけから、これくらいは返済できますよと言ってアドバイスをしているパターンです。
収入に占める返済の割合、いわゆる返済比率は、年収400万円以上であれば上限35%とされています。今回の提案の場合、借入額を増やしても上限の35%を下回りますからそのように言ってるのです。でも、本当に大丈夫なのでしょうか?
ここでは、詳しく数字をあげて話しはしませんが、返済負担率を下げる一般的な方法は、長期でローンを組むことで月々の返済額を低くすることです。今回もそれを前提として計画を立てていました。今回の計画書でも住宅ローンの支払期間は35年でした。でも、35年ということは完済年齢が76歳。もちろん繰り上げ返済などの提案で早期の返済を勧めていますが、それが絶対的条件ならば、結果毎月の支払額を増やさないといけないのと同じことです。
セールスパーソンが悪いとか、住宅会社が酷いとか、そういう事ではなくセールスパーソンの目的は自社の住宅を販売する事ですから、それが達成できるような提案をすることは普通のことなんです。心配性なエンドユーザーなら計画を見てやめてしまうかもしれませんが、そう考えない人も多いので、このような計画を立て見極めや後押しをしているのです。
少し話は変わりますが、住宅会社のセールスパーソンは今でも歩合比率の高い給与で働いている人も少なくありません。1件売れば多額の歩合が貰えるとなれば、購入者の懐事情など気にせず、可能な限り契約ができるように努めるのは当たり前なのです。購入者のために本当に親身になってアドバイスをができるような環境は、住宅業界には中々整っていないのです。
話は戻りますが、相談の結果ご夫婦は当初通り3500万円程度に借入を抑え、それで購入できる土地と住宅会社を求めることになりました。 住まいづくりでは、計画予算が当初より上がる事は多いのですが、数百万円単位の予算の上積みは、今後のライフプランニングを大きく左右しかねません。エンドユーザーが考えていることは、買えるかどうか、買っても大丈夫かという2点で、セールスパーソンは買えるかどうかの1点です。エンドユーザーが悩む、買っても大丈夫か、のリスクの部分は、「大丈夫」という言葉で濁しているのです。
住まいづくりの相談というと、見積もりのチェックや商談アドバイスだけと思われがちですが、実際には普段の生活や家での過ごし方などライフスタイルの話を伺う方時間の方が長いです。なぜならば、家を買う事が本当に楽しい生活に結びつくのか、なぜ住宅が必要なのかを確認することが重要だからです。セールスパーソンの「大丈夫」は、今一度計画を見直してみるキーワードなのです。